男性看護師が転職先で困らない方法「男性なら機械に強い」
男性看護師、女性看護師ともに基本的な業務は同じです。
しかし、女性の方が患者さんにしてあげられることは多い。例えば入浴介助なんかですね。
じゃあ、男性看護師はダメなのか?というとそうでもありません。
男子はメカに強いんです。
例えばテレビの調子がおかしい。というとき、配線の問題くらいなら直したりできます。難しいことはありません。アンテナ線が抜けてるだけなんてことはよくありますから、線を辿っていって刺せばいいだけです。でも、これが女性看護師にはあんまりできません。そもそもの苦手意識があるんでしょうね。
今だと、電子カルテ、つまりはパソコンなんかでも重宝されます。
LANケーブルが抜けてたり、フリーズ→再起動するだけで直ったり、簡単なことですが重宝されます。
男性看護師のみなさんは、是非パソコンの勉強をしておきましょう。
絶対重宝がられますから!
その中でもとっておきの話をしたいと思います。
男性看護師の心温まる話
僕は総合病院の中の精神科に勤めていたことがあるんですが、そこの特性として「合併症を患った精神疾患を持つ患者さん」が多く入院していました。
その中に1人、統合失調症の女性で末期癌の方が入院されてたんですね。
いわゆるターミナルです。家族さんは手続きだけをする感じで面会はありませんでした。
その方はある程度の意思疎通は可能なのですが、こだわり・妄想が強くて痛み止めの内服を拒否されていました。もちろん座薬や点滴も難しい。
骨転移もありましたからかなり痛い筈です。
車椅子生活になっていたのですが、ポータブルトイレに移乗するのにもかなり痛がります。そのためにスタッフに対して暴言が出ていました。
本人もそうですが、僕達も看ていてツラい状態になってきていました。
ぶっちゃけ、もう治療はしないという方針でしたから「もう少し意識レベルが落ちた方が本人も楽なんじゃないか?」という話も出ていたくらいです。
そんな時に、彼女の車椅子のフットレストが外れてしまうということがありました。自力で足をあげることもツラい状態ですから、彼女にとっては大問題です。そこで僕はそれを直してあげることにしました。
車椅子にはスパナが付属してますよね?小さな袋に入ってぶら下がってることが多いと思います。
あれを使うと、簡単に修理することが出来ました。
「これでどう?」
そういう僕に彼女は満面の笑みをみせてくれてこう言いました。
「あんたは採血も下手くそだし、トイレに移すのも下手くそだけど、車椅子の修理が出来るんだね。神様は誰にでも一個だけ良いところをくれてるんだね。だからあんた、頑張るんだよ」
ちょ、
採血下手とか言わなくてもさ…。
移乗下手とか言わなくてもさ…。
良いところが一個だけって…。しかも車椅子の修理は専門じゃねーし…。
と突っ込みどころ満載な言葉でしたが、僕はなんだか救われた気持ちになったんですよね。
笑顔なんか見れたの久しぶりでしたし、彼女の芯のところにある優しさに触れられたような気持ちがしたんです。
正直、仕事がバリバリ出来るタイプじゃないので、病棟では結構ツラかったところもあって、これを思い出すと今でもほんのり涙ぐんでしまいます。
それから程なくして、彼女は意識レベルが下がり、静かに息を引き取りました。
その病棟から色々転職して今に至りますが、今でも時々思い出すエピソードです。
(参考記事:「男性看護師 転職」)