看護技術その他

ボディイメージの変容

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ボディイメージの変容

看護師になって頸椎損傷の患者さんをケアしたことがあります。
首から下が麻痺していました。

事故でそうなられたのですが、僕が関わる頃には急性期を脱し心身ともに落ち着いた状態でした。
当たり前の話ですが、他人の手を借りなければ何一つできません。

腹圧もかけられませんから、浣腸と摘便による排泄です。
寝返りもできませんから、定時体位変換が必要です。

排尿はバルンカテーテルを留置していました。
泌尿器科のDr.によると、その昔は脊椎損傷の患者さんは排尿トラブルから血圧が上昇し脳血管イベントで死亡するケースが多かったようです。
カテーテル管理をするようになってからそういうことはかなり減ったとのこと。

しかし、尿道カテーテルは前立腺炎を来しやすいため、長期管理のため彼は膀胱瘻造設を勧められていました。
ですが、その患者さんは頑なに拒否してたんです。

ボディイメージの変容ということについて深く考えさせられた事例でした。

極端なことを書きます。

首から下が麻痺している状態で、回復の見込みがないなら、四肢は必要でしょうか?
これは意地悪な話ではなく、身体のサイズが大きいと外泊も外出もかなり限られるんです。
実際、その患者さんは何十年と家に帰っていませんでした。
家族がトランファーもできなかったからです。

だったらいらないんじゃないか?

もっと言えば、麻痺のない部分だけにすればどこへでも簡単にいけるんじゃないか?
そんなことも頭によぎりました。

もちろん倫理的にそんなことは許されるはずもないでしょうが…。

ボディイメージっていうのは

人間というのは合理的にできてはいません。

ボディイメージの定義は

ボディイメージとは、人間が身体について持つイメージのことである。 または身体に対してその人が持つ意識的または無意識的な認識のことでもある。 ボディイメージの形成は幼児期からはじまり、自己の知覚や感覚、友人や重要他者の反応、文化、社会的価値観をもとに作り上げられ、常に変化するものである。

このように書かれていますが、ちょっと難しい。
僕の浅はかな頭で考えるならば、それらは思い出に近いものかもしれないなという感じです。
人間って記憶の生き物ですよね。過去の蓄積が今を形作っています。

出来事に対する反応も過去に学習したものだったり、過去に受けたトラウマだったりします。
歳をとったからといって達観するわけじゃありません。
ただ、様々な事柄を知り慣れるだけです。意識的にせよそうじゃないにせよ、僕たちは歩んできた過去が幾層にも重なってできています

過去を思い出す装置として映像や写真。思い出の指輪などがあるわけで、合理的に考えれば「食う寝る出す働く」以外のものは何もいらないはずです。
ミニマリストの中にはそうしてる人もいるかもしれませんが、僕は嫌です。何回も読んだ本は手元に置いておきたいし、捨てたくない写真だってある

僕が上に書いたような例。四肢を切断して動きやすくするっていうのはこの真逆の話ですよね。
おそらく肉体にはたくさんの記憶が(記憶を呼び起こすきっかけが)詰まっているはずです。

母の手を握って歩いた記憶
木登りで落ちた傷
蜂に刺された痕
初めての仕事
初めての恋人を抱いた腕
初体験

書ききれないくらいの人生が詰まっています。
忘れっぽい僕らはそれらにいつも触れていることが大事なんじゃないかと思うんです。

ある心理学の講演で聴いたのですが、人間は無感覚でいると気が狂うそうです。
ただ立っているにしても、足は靴を感じ、地面を感じています。匂いや音、視界。それらすべてがあるからまともでいられるらしい。

それらを(出来る限り)遮断したところ正常でなくなったという実験もあるくらいなんですね。

だから、肉体が呼び起こす記憶の刺激がその人をその人たらしめてるんじゃないでしょうか?
身体の一部が欠損するということは、肉体だけでなくその人自身を形作っている何かを失うのかもしれません。

子供のころ、指がなくなる手がなくなるということがとても怖かった記憶があります。
それはただ不便になる。みんなと違うようになる。ということ以上の恐怖でした。

看護師になると、そのようなことにも慣れがちです。
針で刺すなんてことなんて何にも思わなくなっています。

患者さんの肉体は患者さんという人間そのものに繋がっているということを忘れてはいけないなと思い直しました。

今気づいたのですが、当たり前のことを一周まわって書いただけなんですけど、ま、ブログってこんなもんってことで…。

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