看護師の未来の話をしよう
今、人工知能がどこまで進んでいるかご存知ですか?
それらは既に僕たちの身の回りにあります。
例えばiphoneについているSiriという機能。あれも人工知能です。
あと、販売サイトなどでチャットによる質問コーナーがあるところがありますが、あれも裏で人工知能が返事をしてるところが増えてきているらしいです(人工知能が返答できないものを人間に回すという仕組み)。
つまり、人工知能は物凄く身近になってきていると言うことです。
理系な話になるのですが、今までの人工知能は条件分岐型のプログラムでした。つまりチャート式で動いていたのです。
例えば文字認識をさせるとしたら、上手な人から幼稚園児の書いた「あ」という文字の認識パターンをこちらが覚えさせていく。しかし最近では逆になってきているそうです。
どういうことかと言うと、まず、プログラムを作るプログラムがあって、そこに答えだけを放り込んでいく。
例で言うと色んな形の「あ」を入れ込んでいくと、プログラムが判断プログラムを勝手に作成する。面白いのは幾つか同じことをやったら優秀なプログラムと優秀じゃないプログラムが出来たりするそうなんですね。
さらに凄いのが、優秀なプログラム同士を交配させて、より複雑な人工知能を生み出していく。
ちょっと凄くないですか?
将棋やチェスで人間が負けるのもわかる気がします。ちなみに、そうやって作られた将棋プログラムに勝てるプロ棋士は全棋士の中でも数%しかいないそうです。
将棋なんかの分野は人間よりも機械(人工知能)の方が得意なんでしょうね。
さてここからが本題です。
こうやって半端ない加速度で進化している人工知能ですが、医療分野にもドンドン入ってくると思うんです。
例えばECGなんかの所見の精度は年々上がってきてますよね。
すでに、経験値の高い医師や看護師しかわからなかったことを機械がやってくれてるわけです。
ベテラン看護師はもう威張れない
医療もデータの時代です。採血やレントゲン、CTなどなどのデータの組み合わせで診断が決まっていきます。これらを人工知能が担う時期は恐らくそれほど遠い未来ではないでしょう。
ベテランの医師や看護師しか判断できなかったことを人工知能が担ってくるようになる。彼らがどうして凄いのかというと経験も含めた知識量です。第六感というのも意識していないルートを通って記憶を呼び起こしてるにすぎません。(あ、ちなみに僕はあんまりオカルトとか信用してないタイプです)
日本医師会がそんなことを許すかどうかは別として、人工知能が診断を担えばどうなるんでしょう?
こういう流れに反対派の人もいるかもしれませんが、診断マニュアルを見ながら治療している医師もいるわけで、それなら人工知能の方が早いですもんね。
例えを医師にしているのは診断と治療というのはすごくわかりやすいと思ったからなんですけど、看護の分野も同じことです。危機を知らせるアラーム。排泄のパターン。必要なケア。人工知能は忘れたりケアレスミスをしません。
そうやって、医師や看護師が人間でなければならない理由はどんどん減っていくんじゃないでしょうか?
現に今も、ウェブというものを多くの人が外部記憶領域として使用しています。わからないことはウェブにある。初めて見る疾患も細かく解説してくれてるサイトがある。注意点まで書いてある。
その膨大な知識の量に記憶が勝てるのは速度だけです。でも、時間さえあれば知識の量はスキルの差じゃない。
もちろん、判断の速度が急変時などに必須であることは認めています。じゃあ、人工知能がそれに近い速度で判断、もしくはヒントを出してくれたらどうでしょうか?
若手看護師とベテランの差は縮まります。ケアにバラつきがなくなるのは患者さんとって圧倒的に良いことです。
超高齢化社会で看護師が足りてない現状を考えればこの流れはありな気がしませんか?
じゃあ、人工知能が取って代わることができない分野とはなんでしょう?
やっぱり人間同士の触れ合いじゃないでしょうか?
例えばムンテラなどの説明はやっぱり人間の医師や看護師から伝えてもらった方がいい。そんな風に心のケア、気持ちのケアは絶対最後まで残るでしょう。
逆を言えば、機械が絶対に取って代われないものこそが看護師の本当のスキルなんですよね。
相手の気持ちになって考えられるかどうか。とかそういうものを大事にしたいですよね。
未来の看護師(含む医療職)に求められるのは人間的な成長ということになるでしょう。
老害はそろそろ気をつけな!(フリースタイルダンジョン風)