精神科の男性看護師が整形外科へ転職した話
僕のキャリアのスタートは総合病院の精神科だったわけですが、精神科ですから男性看護師の数も他の科に比べると多い方でした。
でも、それでも4人くらい。
男性看護師の先輩たちはみんな精神科のプロという感じで、
・傾聴の仕方
・パーソナル障害の患者さんとの接し方(特に境界例)
・統合失調症の患者さんとの接し方
・躁うつ病の患者さんとの接し方
・不穏な患者さんを安全に保護室に誘導する方法
などなど
様々なことを教えてもらいました。
ある時、先輩が一人転職することになりました。
「精神科以外のこともやってみたい」ということで、大きめの病院の整形外科に転職が決まったのですが、なかなか大変だったようで、結局そこは長続きしませんでした。
整形外科と言えば力仕事が多そうなイメージで、男性にはピッタリに思われるかもしれませんが、ネックになることがあります。
・患者さんの意識レベルはクリアーであること。
・患者さんに若い人も多いこと。
女性のUB(陰部洗浄)なんかは出来ません。
女性の清拭も出来ません。
女性の入浴介助やトイレ介助が出来ません。
女性の導尿やバルン挿入もダメでしょう。
→そうなると、仕事は半分しかできないことになります。
しかし、先輩はそんなことお構いなしに頑張りました。
→患者さん達の心のケアを!
当然、同僚の女性ナースからは文句が出てきます。
しかし、先輩は譲りませんでした。
→心のケアの大切さを!
一般化では患者さんの不定愁訴を聞いたりすることを業務としてみてもらえないところがあります。
「部屋に入り込んで喋ってるだけ」
とか言われちゃったりします。
それだけ処置や業務が忙しいということですよね。本当は訴えを聞くのも大事なことなんですけどね。
さて、そうなってくると女性ナースと先輩の闘いは激化していきます。
Psy科で一緒に働いている時は尊敬できる先輩だったのですが、ちょっと意地になったりもしてたんでしょう。
この時ばかりは女性ナースのみなさんに分があるように思います。
だって、整形外科の患者さんは心を治しに入院してるわけじゃないですから
ちょっと、その辺を考慮して業務を手伝いつつ、訴えを聞く大切さを啓蒙していけば良かったのかもしれません。
結局、その先輩はそこを1年ほどで辞めてしまいました。
一度崩れた人間関係はなかなか修復が難しいですからね。
この教訓を活かして、今は脳外で上手くやっているようです。
「精神科の男性看護師が一般化に行くときは気をつけましょう」というお話でした。